ヴィクトリア朝時代後期~1940年代頃まで大流行した「紅茶占い」は、英国の紅茶大衆文化として今に伝わっています。ハリー・ポッターの「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の中でも、ハリーたちが魔法学校の授業で紅茶占いを学ぶシーンが描かれています。
占いの仕方はとても簡単。茶こしを通さずに紅茶を注ぎます。するとカップの中に数枚の茶殻が入ります。願いを唱えながら最後の数滴と茶殻を残して紅茶を飲み干します。カップを逆さまにして、茶液をソーサーに捨て、カップ内側に広がった茶殻の形で運勢を占います。
「鳥」は吉報の知らせ、「三角形」は相続、「猫」は裏切り、「船」は旅など、茶殻が象るモチーフの意味を羅列した辞典や、紅茶占いのマニュアル本(例題付き)も発行されました。
新聞や雑誌の表紙を紅茶占いのシーンが飾ることも。写真のティーカップは、紅茶占い用に1930年代に制作されたもの(エインズレイ社)。カップの内側にトランプ、占星術の図柄が描かれ、複雑な占いが楽しめるマニア好みのカップ。
占い好きの方にはたまらない紅茶占いに関するアンティーク、蚤の市などで見かけたらぜひ手に取ってみて下さい。
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ChaTea紅茶教室