ビジネスでの「スマートカジュアル」 英国人はどう着こなしてるの?

ビジネスでの「スマートカジュアル」 英国人はどう着こなしてるの?

前回はビジネスシーンでのドレスコードについてご紹介しましたが、今回は、イギリスでも増えているという「スマートカジュアル」について。おしゃれの差が出るというスマートカジュアルの着こなしのポイントを、ロンドン在住のイメージコンサルタント・小畠利子さんに伺いました。

基本的なドレスコードを知ってカジュアルダウン

「基本的なドレスコードはフォーマル/ビジネス/スマートカジュアル/カジュアルという4つのカテゴリーに分けられます。スマートカジュアルは、簡単に言えば、カジュアルほどくだけすぎず、品質の良い服やアクセサリー(腕時計や靴)を身に着け、その名のとおり『カジュアル』でありつつ『スマート』なコーディネイトのこと。ネクタイをしめる必要はなく、上下の色を統一しなくてもOKです。通常、ビジネスにおいての男性のスマートカジュアルは、襟のないシャツやブルージーンズ、スニーカー(運動靴)は認められません。ソーシャルの場ではジャケットを着用していれば、襟なしのシャツでもOKですし、あまり白茶けていなければブルージーンズでも大丈夫。4つのドレスコードの定義を把握しておけば、気張りすぎたり、ドレスダウンしすぎて恥をかくこともありません」


1401851047-140764_2

カーキ、ベージュのスーツもOK
ファッション業界は小物も大事

では、実際にロンドンのビジネスシーンでは、どんな装いが見られるのでしょうか? 

「IT、メディア、教育、ファッション業界などでは、必ずしもスーツ着用は強要されず、各会社のドレスコードに沿った服装をしています。また、スーツでもお堅い銀行員とは違って、カーキ、ベージュ、ライトブルーなどを素敵に着こなしています。カジュアルになればなるほど上下の色は揃う必要はなく、本当にカジュアルならジャケットも不要。ファッション業界の場合はスーツであろうとなかろうと、黒が断然多いですが、靴やメガネなどの小物もものを言います。クリエイティビティを求められる業界では、独自のスタイルをアピールした方がかえって好まれると思いますし、どの業界であっても、その『コーポレートブランド』を正しく反映している装いが成功への秘訣でしょう」。

スマートカジュアルの着こなしについて相談にくる方には、どういうライフスタイルをされているか、どういう服の好みをお持ちか、どう見られたいか、などを把握した上で、『なりたい自分像』を服装で表現できるようアドバイスするそうです。

お腹まわりが・・・という人はブリティッシュカットを

男性のおしゃれを決めるポイントは、「自分の体型に合うカットやコーディネイトを把握していて、TPOを念頭に置きながら、自分らしさを演出すること」と小畠さん。最近のロンドンでは細身のカットが流行中とのことですが、忙しい毎日を過ごすうちにだんだんとお腹まわりが立派になってきて・・・というビジネスマンも多いはず。体型が変わってきてしまったら、どんな着こなしをすればよいのでしょうか?

「いくら細身のスリムカットが流行っているからと言って、自分の体型に合わないシルエットや自分よりも小さなサイズの服を無理やり身に付けると、かえって太って見えます」重要なことは全体のプロポーションのバランスを保つこと。「特にお腹まわりが大きくなった場合は、ウエストのまわりが突っ張らないカットを選ぶとともに、体の他の部分がダボダボになっていないことがポイント。ダブルボタンのジャケットでお腹を隠そうとしたり、ズボンのタックが二つも三つもあるものをお選びになる方がいらっしゃいますが、ますます太って見えるので要注意です。紳士服には3種類のカット、ヨーロピアン、ブリティッシュ、アメリカンがありますが、ウエストを少ししぼりこんだブリティッシュカットをお選びになると、無理なく、きれいに着こなせると思います」

2回にわたってご紹介した、英国紳士に学ぶビジネスマンのおしゃれ。TPOを踏まえた上で、自分を表現できる着こなしが、キーのようです。


小畠 利子(イメージコンサルタント、Talking Image代表、https://talkingimage.co.uk/

RSVP’s Recommend

RSVP書籍の購入はこちら

To top ↑