英国のアフタヌーンティーを想像するときに、皆さまが真っ先に思い浮かべるのが、ティーフードの乗った3段スタンドではないかと思います。別名スリーティアーズと呼ばれるこの商品は、実は20世紀近くなってから登場した比較的新しい茶道具のひとつと言われています。
もともとアフタヌーンティーは貴族の館から発祥した文化。会場となる応接間もとても広く、アフタヌーンティーをサポートする使用人も数多くいましたので、ティーフードは一皿ずつ丁寧にサーブされていました。しかし20世紀に入り、ホテルやティールームでのティータイムが発展をすると、机の大きさや、給仕人の人数の関係から、一皿ずつのサービスは難しくなり、すべてのティーフードを一度に提供するための3段スタンドが考案されました。
最初は木製の小型家具の形から、次はテーブルの上に乗る金属製のもの・・・、スタンドの形も少しずつ変化をします。本来は一皿ずつのサービスが基本ですので、今でも家庭の中でのアフタヌーンティーは昔スタイルで行うことが多く、スタンドを使用する家庭は少ないのが実際です。日本ではホテルやティールームからアフタヌーンティーの文化が広がったので、このスタンドがないとアフタヌーンティーを楽しんでいる気がしない!という方も多いようですが、英国を訪れた際、一皿ずつでサービスしてくれるお店に出会ったら、がっかりせず丁寧なサービスだと思って楽しんで下さいね。
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ChaTea紅茶教室