本書は、著者であるハリシュ・C・ムキア氏による書き下ろしで、ダージリンティーについての詳細解説に加えて、87あるダージリンの茶園の情報を掲載。
それぞれの茶園の標高、規模、生産する茶葉の種類までを網羅。同時に、それぞれの茶園が生する茶葉のクオリティを三段階で評価するという、いわばダージリン茶園のミシュラン本です。インド紅茶局から推薦図書として認められた本書は、ダージリンティーの魅力と現状、そしてこれからのるべき姿までを知ることができる貴重な内容です。
【概要】
◎著者:ハリシュ C. ムキア
◎翻訳:井口智子
◎監修:黒岩純子(日本紅茶協会認定ティーインストラクター)
◎サイズ:天地198mm・左右120mm
◎ページ数:本文160ページ
◎定価:2,600円+税(税込2,730円)
【内容】
1)ダージリンティーとは
2)ダージリンティーの種類
3)ダージリンティーの製造と販売
4)ダージリンの茶園とその将来
5)ダージリン茶園ガイド(87茶園を各1ページで下記の情報を紹介しています)
*茶園名の意味
*生産茶葉の種類
*オーガニック農法の有無?
*創業
*標高
*面積
*生産量
*従業員数
*所有者
*3つのグレードによる茶園の評価?
6)コラム:茶葉の等級、オークション価格、ダージリンの地名の由来、ダージリン小史 ・・・等
ページ見本
《茶園について》
ダージリン茶園ハンドブック発行の背景
この本のきっかけとなったのは、弊社で発行している雑誌『RSVP』第6号に掲載したダージリン特集の取材でした。2009年11月、現地で取材に応じてくれたキャッスルトン茶園のマネージャー、プラナブ・ムキア氏から、ダージリンの紅茶産業の現状、茶園が抱える問題など、さまざまな話を聞きました。それは私たちが日本で飲んでいるダージリンの優雅なイメージからは想像もできないような深刻なものでした。その翌年、プラナブ・ムキア氏を日本に招いた際に再び話しを重ねた末、私なりのひとつの方法を見つけました。それが本書の発行です。
本書の著者であるハリシュ C. ムキア氏はプラナブ・ムキア氏のお父上で、ダージリンのお茶業界のアドバイザー的な存在です。氏が本書内で示した詳細な分析と提言は、ダージリンのお茶産業を知るうえで貴重なものであり、氏独自の基準による茶園ごとのランク付け、生産者の立場からのダージリンティーについての情報なども他の本では見られないものです。
ダージリンに限定した本書は部数が見込めるものではないため、価格を高めに設定せざるを得ません。しかしながら「RSVP」の取材を通じてムキア父子と出会ったその縁を大切にしたいという思いと、本を出すことでダージリンのお茶産業振興に何らかの貢献ができればという思いから、本書を発行するに至りました。この経緯をご理解いただけると幸いです。