Phyllis Bideフィリス・バイド(Cl Pol 1923年 S.Bide &Sons作出)
イギリスのコッツウォルズを訪れると、この地方で採れるコッツウォルズ・ストーンを使用した建物を多く見かけます。黄色みがかった蜂蜜色の石は、ハニー・ストーンとも呼ばれ、優しく落ち着いた雰囲気の家や街並みを形成しています。特に朝陽の当たったハニー・ストーンは美しく、コッツウォルズの朝の散歩をより楽しいものにしてくれています。そのハニー・ストーンの壁に、よく這わせてあるバラが「フィリス・バイド」です。
クリーム色や黄色にピンク色が混ざる複色の色合いは、ハニー・ストーンにとてもよくマッチし、大きな株となって壁を上っていきます。中輪のひらひらと軽やかな花びらは、房咲きの多花性で、花持ちが良いのに散り際も良く、秋にも花を咲かせます。
女性三代の庭として有名な名園「キフツゲートコート」のメインハウスに絡まる「フィリス・バイド」
個人宅の壁面を華やかに彩る「フィリス・バイド」
建物と植物とがまるで一帯となった風景は、美しいだけでなく、心地良さも感じさせてくれます。英国人の上手な色合わせのヒントを、ぜひ、参考にしたいですね。私の庭では、ハニー・ストーンではありませんが、両側のコニファーの葉色に合わせて「フィリス・バイド」を植栽しています。
文&写真: 元木はるみ(日本ローズライフコーディネーター協会代表、https://www001.upp.so-net.ne.jp/jrlc/)