English Heritage イングリッシュ・ヘリテージ
(1984年 デビッド・オースチン作出 イングリッシュローズ 四季咲き性)
作出されてからちょうど今年で30年、今も整った中輪カップ咲きの花型は、優しいピンク~アプリコットの繊細な色合いで、見る人を引き寄せます。近くに寄ると、爽やかな甘みを含んだ清々しく心地良い香りに、いつまでも時間を忘れて、このバラの前にじっと立ち尽くしていたくなるような、大変魅力的な品種であることに変わりはありません。
「イングリッシュ・ヘリテージ」という名に、作出者のオースチン氏の、このバラへの想いの深さが伝わってきます。
樹形は、シュラブ状に長く伸ばしたステムの先に花を咲かせますので、誘引してつるバラのように管理すると良いでしょう。咲き殻をこまめに摘んで、整枝をすることで、四季咲きの花を美しく楽しめます。花持ちは、良いとはいえませんが、先にも触れましたように、大変心地良い香りが強く香りますので、このバラが咲くと、天然の芳香浴を庭やベランダで楽しむことが出来ます。
今日は、この素晴らしい香りを長く持続する方法をひとつご紹介させて頂きます。
バラが花開いた午前、一輪、摘んでみて下さい。軽く水洗いし、水気を取った後、一番外側や傷んだ花びらは取り除き、花弁を一枚ずつほぐします。そして、卵白にレモン汁を少々加え、花弁を一枚ずつ付け、グラニュー糖をまぶします。冷暗所で1週間以上よく乾燥させると、美しいバラのお菓子が出来上がります。
「クリスタライズドローズ」、火にかけてしまうと苦味の出るバラも、こうすると美味しくいただけます。香りまで残っていて、口に入れた瞬間香りがふわっと広がり、数日前に咲いていたこのバラの記憶が蘇ります。
口に入れるバラは、無農薬~減農薬で育てたバラに限ります。詳しくは、「アフターガーデニングを楽しむバラ庭づくり」(JAグループ・財・家の光協会)をぜひ、ご参照下さい。
文&写真: 元木はるみ(日本ローズライフコーディネーター協会代表、https://www001.upp.so-net.ne.jp/jrlc/)